夏場の花資材の仕入れと保管

夏場の花材の取り扱い 作家活動のヒント

夏と高温多湿から花材をまもろう!

 

夏場に虫が湧いたことがあって心配だな・・・

花材の保管方法、これであっているかな?

フラワー作家、キャンドル作家、レジン作家に関わる花材の仕入れと保管管理。
特に夏が近づくと湿度が一気に上がり、花材を美しく保つのが難しくなってきます。
今回は現役のベテラン作家さんが実際にしている「対策と注意事項」をご紹介します。どれも実践的で、重要な内容なので、1つ1つ実行して、無事に夏と高温多湿から花材をまもりたいですね!

 

花材の適切な保管はロスの軽減につながる

花材が湿気を含むと、変色する他、菌が繁殖してニオイがでます。また湿気があることで虫も発生しやすくなります。夏場は花材が手に入りにくいので、花材を高温多湿からまもり、廃棄によるロスがでないようにしましょう。

 

夏を迎えるにあたり気を付けること

1. 花材の仕入れ

生花

梅雨から夏にかけて店に並ぶ生花が減ります。地域によって差がありますが、2~4月の間に生花をドライフラワーにしてストックしておくと安心です。遅くとも梅雨入り前にはドライフラワー作りを終えておきたいですね。

ドライフラワー、プリザーブドフラワーなど

雨が多い時期にドライフラワー、プリザーブドフラワーなどを仕入れる場合は時間のかかる「普通郵便(定形外など)」ではなく「宅配便」を利用して、なるべく花材が早く手元に届くようにすると良いですよ。定形外郵便は「追跡・補償」がない他、最短で翌々日着、場合によっては4日後着になり花材にかかる負担が大きいです。

Hanayui フラワー&キャンドル作家*先生 tomoe さん

tomoe
tomoe

3月になると花の価格が少しずつ値上がりすることと、ドライフラワーの色が冬場の方が綺麗に仕上げることから2月までに仕入れて乾燥させています。また5月以降、予約以外は仕入れない花屋さんも多く、市場でもお花がかなり少なくなります。夏場はなるべく仕入れないようにして、ドライフラワーが足りなくなった時はドライになっている花材を仕入れています。

 

2. 花材の保管管理

湿度管理が大切

花材は密封容器や、衣装ケース、コンテナボックスに入れて保管しましょう。密封容器などの中に「食品用シリカゲル」を入れて、定期的に交換すれば湿度を保つことができます。筆者の肌感覚として乾燥材は強力で、湿度が10%台の環境では花びらが割れやすく、ポロポロ・ハラハラ取れしてしまう花が多いです。一般的に湿度30%前後がドライフラワーにとって最適な環境と言われています。

まずはお部屋の湿度がどうなっているかをこまめにチェックしましょう。

[割れやすい花の例]
ビオラ、パンジー、デルフィニウム、ラナンキュラス、スイートピーなど(主にドライフラワー用乾燥剤で干し上げた花材)

[ポロポロ取れやすい花の例]
千日紅、花かんざし、千日紅、千鳥草など(主にハンギングして干し上げた花材)

食品用シリカゲルを容器に入れるときのワンポイント

特にドライフラワー用乾燥剤で干し上げた花材を保管するときのワンポイントです。食品用シリカゲルを小袋から出して容器の底に入れ、その上に花を入れると良いです。容器をひっくり返してしまったときに、食品用シリカゲルの小袋に押しつぶされて花びらが割れることがありますよね。あらかじめ袋から出して使用することで、対策になりますよ。

意外と湿気を含んでいるプリザーブドフラワー

プリザーブドフラワーはしなやかな質感のものが多く気がつきにくいですが、実は湿気やすいです。紫陽花、ソフトカスミ草、シルバーデージなどの他、スパニッシュモス、アイスランドモスなどのモス類も湿気を含みやすく、ドライフラワーと同じように保管管理する必要があります。特にハーバリウム、固まるハーバリウムなどの制作は、乾燥した花材を使うことが作品のもちにつながるので、ぜひ気を付けたいポイントです。

明るさを遮ることも大切

花材の保管管理には湿度以外にも、光をさえぎることも大切になります。直射日光だけでなく明るい光(電灯の光も)があたらない場所に置く。そのためには不透明な衣装ケースやコンテナボックスに、カメラの乾燥剤、または除湿剤と一緒に入れるとよいです。このとき一緒に防虫剤を入れると虫対策にもなりますよ。

BARO キャンドル作家 若葉さん

若葉
若葉

特に湿気に弱い花材(ドライフラワー用乾燥剤で乾燥した花材)はカメラ防湿庫に入れて保管しています。食品用シリカゲルの交換を億劫に感じたり、交換時に花びらが取れることがありますよね。カメラ防湿庫は、タッパーごと入れて保管できるため食品用シリカゲルの再乾燥・交換から解放され、その時間を制作にあてられる点も嬉しいです。

 

OvalHomePlanet ドライフラワー作家Asamiさん

Asami
Asami

おうちショップとアトリエ全体に空調と除湿器を入れて花の保管管理をしています。除湿器にはコンプレッサー式、ゼオライト(デカント)式、ハイブリッド式とありますが、コンプレッサー式の除湿器を使っています。コンプレッサー式は空気を冷やして水分をとる方法で、パワーがあるため花の保管に最適だなと感じています。

 

 

保管に便利な資材

大きめの花材の保管に便利な保存容器

[密封タイプ] サイズ展開が豊富。ヘリクリサムの他、枝付き千日紅やレースフラワーの保管もできます。

 

[密封タイプ] 大きいため、スターチスや、カスミソウ、葉ものなど、スワッグに使用したい花材の保管もできます。

 

薄く割れやすい花材の保管に便利な保存容器

[密封ではない] 浅型で薄い花。壊れやすい花の保管に便利。容器ごとチャック付きポリ袋に入れると密封度が増します。(パッケージは違いますがダイソー、セリアともに取扱いがあります)

揚げ物用保存パック

 

花材を保管するときにあわせて使いたい除湿剤、乾燥剤、防湿剤、防虫剤

除湿剤・乾燥剤

 

 防虫剤

 

 

花材づくりのコツ

花材の保管方法を学ぶ前に、まずはキレイな花材の作成方法も知りたいところですね。こちらについては「Decily デシリィ」代表のOvalHomePlanet ドライフラワー作家Asamiさんが運営している「ドライマニア」にて詳細が書かれています。ぜひあわせて読んでみてくださいね。

キレイなドライフラワーの作り方 ~ハンギング法~ 実践編 – ドライフラワーTips – ドライマニア (dry-mania.jp)

 

「Decily デシリィ」の中でも、ドライフラワー作り全般や、花の育て方についてもサポートしています。花材が色鮮やかで綺麗なことが、美しいフラワー雑貨、キャンドル、フラワーレジンアクセサリーへのファーストステップです。
「Decily デシリィ」ではベテラン作家さんが現役ならではの経験と視点を持って、学びの場を提供しています。
「でしいり」の機能を使えば、あなたに合ったアドバイスでさらに飛躍的に活動を前に押し進めることもできますよ!

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